「高岡御車山祭の御車山行事」、「魚津のたてもん行事」、「城端神明宮祭の曳山行事」が、無形文化遺産に登録決定
国連教育科学文化機関(ユネスコ)は、12月1日未明エチオピアのアディスアベバで開いた会合で、日本が誇る18府県33件の祭りで構成する「山・鉾・屋台行事」を、無形文化遺産に登録が決定しました。
18府県33件の祭りなかには、富山県を代表する「高岡御車山祭の御車山行事」、「魚津のたてもん行事」、「城端神明宮祭の曳山行事」が入っています。
『高岡御車山祭』
高岡御車山は1588年、豊臣秀吉が、後陽成天皇と正親町(おおぎまち)上皇を聚楽第(じゅらくだい)に迎え奉る際に使用した御所車を、前田利家公が拝領し、前田利長公が1609年に高岡城を築くにあたり、町民に与えられたのが始まりと伝えられています。御車山は御所車に鉾を立てた特殊なものです。
高岡町民の心意気と財力に支えられ、格式も高く、高岡の金工、漆工、染織等の優れた工芸技術の装飾が車輪や高欄、長押等に施された日本でも屈指の華やかな山車となっています。
「高岡御車山祭の御車山行事」は、京都市の「京都祇園祭の山鉾行事」岐阜県高山市の「高山祭の屋台行事」などと同じように、国の重要有形民俗文化財・無形民俗文化財の両方に指定されています。
『魚津たてもん祭り』
たいこや笛の囃子を鳴らし、はっぴ姿の若者の力によって三角形の船形万燈を豪快に曳き回すお祭りです。
引き手も観客も一緒になって熱狂できる様はまさに魚津の夏の風物詩!豊漁と航海安全を祈願して贄(供え物)を神前に供え捧げたてまつるという言葉からきている「たてもん」は、高さ約16mもある大柱に、90余りの提灯を三角形につるし下げ、長さ10m、総重量5トンもあるそり台に立て、魚津海岸沿いから諏訪神社境内へ曳き回されます。
『城端曳山祭』
300年の伝統を誇る優雅な祭り。目に飛び込む豪華絢爛な山、そして優調な庵の音、美しい城端の祭りは見る人の心を魅了します。
京都祇園の一力茶屋などを模した精巧な「庵屋台」がそれぞれの山車を先導し、その中では、笛、三味線の音色にのせて 江戸端唄の流れをくむ城端独特の「庵唄」が唄われます。精緻な彫りと塗りが施され、御神像を乗せた6台の山車が町中を練り歩く様は圧巻です。
33件はいずれも国の重要無形民俗文化財に指定され、住民らの保護団体が組織されており「過疎や少子化などで祭りの担い手不足が進む地域も多い中、登録は大きな励みになりそうだ」と、地域の方々は今後の未来に期待を膨らましていました。